
初物を食べると七十五日長生きする。
という言葉があります。
この言葉ができた由来と、七十五日の意味をまとめました。
初物とは、その年で初めて収穫(収獲)された食べ物のこと。
旬なものは強い生命力を持っていて、それを食べて生命力(寿命)を
得ることができると考えられています。
初物を食べると長生きする由来
縁起がよく、福を呼ぶ・・・
昔から、初物は縁起がよく、福を呼び込んでくれると考えられていました。
初物は東を向いて笑いながら食べると福を呼ぶ
という言葉もあります。
初物は、季節の初めに採れるものであり、その季節に合った栄養が詰まっています。
春の山菜は代謝を良くし、
暖かくなり始める気候に合わせて体を整えます。
夏は暑さに負けないよう、体を冷やしてくれる食べ物が増えます。
秋は冬の前の蓄えとして、栄養がたくさん詰まったものがあり、
冬は寒さに耐えるために、体を温めてくれる食べ物があります。
ここから、初物を食べることで季節に合った体作りができ、
健康的な生活をおくることができます。
するとだんだん体が丈夫になり、寿命が伸びて長生きできるというのです。
もうひとつ由来として、江戸時代のある話があります。
江戸時代には、死刑を受ける罪人に「最後に食べたいもの」を聞く習慣がありました。
ある死刑囚はそこで、最後の食事としてその季節にはない食べ物を選びました。
初物といえば旬な時期、一定の季節にしか食べることしかできません。
死刑囚は、その食べ物が食べられるまで季節が過ぎるのを待ち、
七十五日間長生きしました。
死刑囚は死んでしまい、逆の発想ですが、これも由来とされています。
中国には、五行という「木・火・金・水・土」があります。
それを季節に当てはめると・・・
春 - 木気
夏 - 火気
秋 - 金気
冬 - 水気
土用 - 土気
として季節が分けられています。
(土用は四季の中にそれぞれ1回ずつあります。)
この5つの季節で一年を割ると、75日になります。
一つの季節は、75日間あるということ。
すると、新しい初物が現れるまで75日間あるのです。
初物を食べると七十五日間長生きすると言うのは、
栄養豊富な初物を食べることで、季節に合った体を作ることができ、
また75日経つと新しい初物が現れて体の調子をととのえることができる。
それを続けることによって、健康で長生きできる。ということ。
旬な食べ物を食べて、七十五日間何度も寿命を伸ばして長生きしましょう!